
バンコクにはアラブ料理のレストランがたくさんある。何代もタイに住むアラブ人コミューンガあちこちにあり、その人達が通いつめるわけだから、味は確かなうえ、メニューも豊富、そしてリーズナブルだ。
アラブ料理といえば、長い串に刺さった肉料理ケバブが有名だが、実は豆や野菜のメニューがたくさんある。前菜は特に野菜メニューが多い。焼きたてのピタパンにヒヨコ豆やナスのディップをぬったり、よく漬かったピクルスを包んだり、空豆のコロッケをはさんだり。ベジタリアンにも、野菜不足に悩む人にも、アラブレストランは以外とお薦めなのである。
その数ある野菜メニューの中でも、私が必ずオーダーするのがパセリのサラダ「タブーレ」である。パセリだけが、みじんに切られてドカンと出てくる。はじめて見た時はギョッとした。日本人としてはパセリは彩り野菜で脇役もいいところ。宴会場や居酒屋では食べられない事を前提として添えられている哀れな野菜である。
タブーレは本気で真剣にパセリを食べるサラダなのだ。そういえばスーパーでこれでもかという「大袋入りのパセリ」を見かけ、誰が使うのかと思ったが、あれは中近東の人達御用達だったわけだ。
作り方は100%パセリなんだから、兎にも角にも柔らかそうなパセリを買ってくることである。パセリにも種類があるようで、飾りとして姿を長らくキープできる固めのものから、歯も茎も柔らかいものまである。庭先に栽培してみようかと思う方は、柔らかい品種を選んでください。
後は、よく洗い、しっかり水気をきって、軸は柔らかいとこまで使うことにして、すべてザクザクとみじん切りにする。だけど、みじん切りはあまり細かくみじんにすると、汁が出てシナシナしてしまうので、ザアッザッーとみじんにする。
このパセリに本場ではブルガーと言う小麦を混ぜ込むのだが、ここはなんでもいいが、なにか入れたほうが口当たりが違ってくる。私はその時々、炒った雑穀やゴマを入いる。味はレモンを豪快に絞って、オイルをサッとまわしかけ、塩をふればOK。酸っぱさとパセリのスカッとした芳香が口いっぱいに広がる。パセリは口臭や食中毒の予防にもなるので油っぽい料理の時にぜひどうぞ。
パセリとゴマのタブーレ